一級塗装技能士 松村社長インタビュー

  • プロタイムズ岐阜南店(株式会社南部建装)
  • 代表取締役 松村 秀次

会社設立に至るまで

経歴

もともと、父親が岐阜で塗装会社をやっていたのですが、私は次男ですから継ぐ予定はありませんでしたし、父親の仕事を手伝ったことはありませんでした。
16歳の時に家を出て、たまたま住み込みで働き始めたのが、愛知県の塗装会社でした。
家に戻れば普通に暮らせたのですが、自分の力でやっていきたいという気持ちがあったんでしょうね。

住み込みで働いていたのは5年間くらいでした。初めて仕事をした時、兄弟子と同じように塗っているつもりが、自分よりも3〜4倍くらいのスピードで塗っているのを見てショックを受けましたね。
その頃は、職人に否定的だったものですから、いつかはこの仕事から足を洗って、ちゃんとした仕事に就こうと思っていましたね。職人というか、職人の考え方や態度などが、嫌いでしたから。

この仕事の面白さに気付いたのは、6〜7年くらい経ってからで、独立しようと思ったのは、23歳の時でした。
父親が事故に遭ったものですから、2年くらい家に戻っていました。
当時、大手ゼネコンの仕事ばかりやっていましたが、バブルが崩壊する頃でしたから、会社としては当然、採算ベースを考えないといけない。
独立をすれば、誰に文句言われることなく好きなように仕事ができますし、自分が損すれば済むので好きな仕事を思いっきりやりたいと感じました。

独立のきっかけ

南部建装の創業は平成4年、私が24歳の時でした。 自分のやりたい仕事ができて、お金の単価の成立さえあれば、元請けだろうと下請けだろうと良かったんです。
とにかく自分がやりたい仕事をしたかっただけでしたし、独立する前から、すでに下請けとして声がかかっていたので、とりあえず下請けから始めました。
すぐに若い職人を6〜7人抱えるようになったんですが、その頃は大きな新築現場ばかりで、ちょうどバブルが崩壊した後でしたから、資金繰りに直面しましたね。
5年間くらい新築工事をやりましたが、あまりにも採算が悪くなってきたものですから、ゼネコンさんの新築工事はお断りして、改修工事だけをやらせてもらうことにしました。
その後は、訪問販売会社の下請け仕事をやらせていただくようになって、多い時は年間100棟くらいやっていましたよ。 その仕事をさせていただいた時に、単に仕事をするだけじゃなく、お客様とのコミュニケーションの中で、もっと繊細さが必要だと思うようになりました。
お客様とのコミュニケーションを大事にしていく中で、私が現場に出ていた平成8〜9年頃、お客様がご自分で作られた感謝状をいただいたことがあります。
私が現場に出なくなってからも、うちの若い職人がやった現場で、正月にお客様から「素晴らしき塗装ありがとう」という文面の年賀状をいただいたこともあります。
その時は、私自身が感謝状をいただいた時よりも嬉しかったですね。
職人たちも、お客様から「ありがとう」と、ひと言言ってもらえるだけで嬉しいです。

法人化について

平成10年に、まず有限会社を設立しました。
元請けとして住宅塗装工事をやり始めた時、最初は知り合いの会社からいただく仕事でしたが、一般のお客様から依頼を受けるようになったのは、会社設立後でした。
その間、下請け工事で勉強させて頂き、いい悪いは別として学ぶものがたくさんありましたから、システムや品質の良い面はうちでも取り入れていきました。

平成14年には、建築士、技能士、建設業務経験者という専門スタッフを揃えて、リフォームサポートという名称でリフォーム工事専門店も設立しました。
建設業務経験者というのは現場監督です。住宅の中も外もできるように、現場監督と建築士と塗装職人というチームでやるわけです。
私は、この頃から、現場で刷毛を持ったら自分の負けだと思っていました。

いかに人を揃えてやるかということ。それは、私の中ではプライド的なことで、今のお客様は私がペンキを塗れることを知らない人が結構多いですよ。
会社を立ち上げた以上、第一に考えるのは、やはり仕事の受注です。
安い仕事なら、いくらでもありますが、いかに適正単価で仕事をいただくか。
私を信頼して契約していただいたお客様に対しては、ちゃんとしたものをご提供したいと思っています。
ただ、最低ラインの単価を守って契約するのは難しいですね。いろんな仕様があって、この仕様なら実際にはこの価格になるというのが適正単価です。そこから値引きするかどうかは別として、品質を保つためにも過剰な値引きはしたくないと思っています。
株式会社化したのはその後平成16年です。
 

一級塗装技能士について

取得した資格

一級塗装技能士を取得したのは、独立する前でした。右も左もわからない若い頃でしたから、建築屋さんから仕事を受ける時に必要だと言われたのがきっかけです。
うちの父親も持っていましたし、一級塗装技能士の資格取得が当然のことだろうと思っていました。
平成4年に二級技能士の資格を取って、一級は平成8年10月3日に取得しました。

その他の資格としては、雇用管理士とゴンドラで塗装する資格、高所作業士、職長特別教育、安全衛生推進者、有機溶剤作業主任者・特定化学物質作業主任者ですね。
特定化学物質作業主任者は、アスベストのもう一つ上の免許です。今は、アスベストを扱う単体の資格になりましたが、私が取った頃は、10種類以上の他の化学物質が含まれていましたので、特定化学物質作業主任者の資格取得は必須でした。

 

一級塗装技能士の試験内容

実技では、スプレーガンが一つ、吹き付けタイルが一つ、あとはベニヤに線を引いて、下地処理からやっていって、3色を自分で調色する。
たぶん、今でもこの内容ではないかと思います。1枚のベニヤ板の中に、試験項目が凝縮されていました。

学科については、工場塗装のライン塗装とか、材料の種類やタイプに関する問題だったと思います。建物の部位や、屋根の形状の名前を覚えた記憶があります。 実技は毎日やっていることですから苦戦はしませんでしたが、学科では不慣れな言葉が出てきますし、知っていることでも呼び名が変わったりもしましたね。

一級塗装技能士とは?

一級塗装技能士は、最低限のレベルはクリアしていることの証で、そこからのスタートだと思っています。
当社では、工事の主任は一級塗装技能士の資格保持者という規定があります。 5名の職人のうち2名は一級塗装技能士の資格を持っていまして、今年また1人、若い社員が取る予定です。
私自身は一級塗装技能士なんて、どうでもいい免許だと思っています。 ただ、一級塗装技能士の資格を取るために努力をした証なのです。
私も若い頃に取ったので分かるのですが、仕事から疲れて帰ってきて、普段使わない頭を使うわけです。
そうやって一生懸命取り組める職人、前向きな職人だということです。
ペンキを塗るだけだったら、資格なんて取る必要はありませんから。
資格を持っている職人と、持っていない職人とでは、技術的な違いはありませんが、資格を持っている職人は前向きに仕事に取り組みますから、結果的にいいものが生まれます。
資格を持っている2名がいるから、持っていない2名も相乗効果で前向きになりますね。

 

住宅塗装について

塗装工事へのこだわり

住宅塗装の場合、お客様のご要望や予算、建物の使い方、10年・20年後のコスト、ライフスタイルなども考慮して、その建物に一番合う仕様を組んで塗装する必要があります。
たとえば、将来お子さんに譲るつもりの住まいであれば、いい素材を使ったり、長持ちする塗装をしたり。逆に、ご高齢のお客様で一代限りの住まいの場合、20〜30年持つ塗装が必要かどうか、ということも考慮していますね。

現在の塗装業界について

今の塗装業界は人間が悪いと思います。それは職人も管理も営業も含めて、企業倫理というか、モラルがあまり保たれていないように思います。
他の業種の企業と比べると、建築業・塗装業はかなり良くない。
私は職人でしたが、職人嫌いでした。日雇い労働者的な考えも嫌いです。その日限りの仕事という考えが好きではありません。
なかには、できない理由を作る職人もいます。慌てたからマズイ仕事になったとか、足場が悪いからとか、言い訳が通用するようになると、仕事が下手になっていきます。
下地が悪いからできないと、真っ先に言う職人もいますね。
結果は同じことでも、「ここまでやったら、ここが悪くなるかもしれない」という言い方をする職人と、「これはできないですよ」という職人との違いです。
それに、道具や作業環境が汚い職人は、仕事もだらしないですね。

 

プロタイムズに加盟したきっかけ

もともと私がやりたいと思っていたことを、プロタイムズの菅原社長がされていたからです。
それは、プロタイムズという同一ブランドで全国展開するということと、商材などを安価で供給できるということです。
プロタイムズは単一業者よりも信頼を得やすいですし、職人も現場で「プロタイムズ仕様だからこうやらないといけない」とか、そういう自覚がありますね。塗装はカタログ通りにやるという先入観がありますから、手抜きも起こりにくい。
プロタイムズで塗装するということは、写真管理があったり、塗布量もあり、保証書の発行もあり、やっぱり品質・耐久性は保たれると思います。

今後の塗装業界について

今、お客様の選定基準は、建てた業者やハウスメーカー、価格が安い業者、たまたま営業に来た業者という相見積りの中、“地元の信頼ある業者”というのが選定の一つになっていますね。

私は分譲マンションの大規模修繕もやっているので分かるのですが、既存の建てた業者と、半径30分以内の信頼のできる業者、この2つは必ず候補になります。
今後の塗装業界は、地元に根付いた信用のある業者が勝ち残っていくと思います。お客様の目も肥えていくでしょうから、やっぱりブランドというのは必要だと感じます。

 

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